「光回線対応」のはずが回線を引けない——入居者クレームを建物のバリューアップに変える

募集図面に「光回線対応」と書いてある部屋で、実際には回線を引けない。
NOCOSは原因を切り分け、入居者クレームを 建物の設備バリューアップ提案 へ転換しました。

Situation

状況:「使えるはず」の回線が使えない

管理移管直後の居室で、入居者から「募集時に光回線対応と案内されていたのに、回線を引き込めない」というクレームが発生。前管理会社経由で、原因調査だけで 約6万円(税込)の見積もり が提示され、オーナーから「この費用は妥当か」と相談が入りました。

入居者はテレワーク利用で、速度面の要求も高い状況。「とりあえず調査費を払う」前に、何が起きているのかを切り分ける必要がありました。

Response

NOCOSの対応手順

  1. 費用の前に状況を分解:既設のCATV(ケーブル)は来ているが居室での契約可否が不確実、入居者が引こうとしている回線会社も不明、と判明。提示された「調査費6万円」が「どこで詰まっているかの切り分け費用」であることを明確化。
  2. 関係者を直接つなぎ直す:前管理会社・CATV事業者・入居者側の立会い者・回線各社に個別ヒアリング。各社とも現地調査は無料で手配できることを確認し、有料調査の即決を回避。
  3. 原因を特定:地下の共通配管が詰まっており線を通せない。玄関外への配管新設やエアコン穴経由など、物件側の工事判断が必要なレベル(借主だけでは決められない)と判明。
  4. クレームをバリューアップ提案へ転換:CATV事業者から、建物一括契約による無料インターネット化(戸あたり 約1,400〜1,700円/月・機器更新やクレーム対応の保守込み) の提案を引き出し、「無料ネット付き物件」として募集力を上げる案をオーナーへ提示。
  5. 潜在リスクも同時に掬う:共用部のブースター(TV信号増幅器)の経年劣化を発見。放置するとTV不具合=大型クレーム化するため、一括契約に保守を含めればブースター交換も保守対象になる点を提案に組み込み。
Result

結果:原因特定と、設備投資の方針確定

不要な有料調査を回避し、無料調査で原因(共通配管の詰まり)を特定。借主負担で個別に回線を引く案と、オーナーが建物一括で無料インターネット化する案を、費用と効果(募集力・保守範囲)を並べて比較できる状態に整理しました。

単なる「クレーム対応」を、建物の設備グレードを一段上げる投資判断に変換。開通工事の時期は現在調整中です(本記事は進行中の実例)。

入居者の不満は、しばしば建物のバリューアップの起点になる。火を消すだけでなく、同じ予算で資産価値が上がる選択肢をオーナーに示すのが管理会社の仕事です。
Key points

この困りごとの実務ポイント

  1. 回線の現地調査は各社とも無料で手配できる。 提示された有料調査見積もりを鵜呑みにせず、まず無料調査で原因を切り分ける。
  2. 建物のネット環境は「個別契約」と「建物一括(戸あたり定額・保守込み)」で比較する。 一括は募集力アップ+保守込みで、長期では割安になりやすい。
  3. 募集図面(マイソク)の設備表記と実態の整合は、第一義的に、その募集図面を作成・掲載した募集仲介会社(元付け業者)の責任。 客付け仲介会社ではない。管理移管時の必須チェック項目で、不一致は費用負担と責任の所在の論点に直結する。
  4. 共用部ブースターの経年劣化は、TV不具合という大型クレームの火種。 一括保守でカバーするのが定石。
FAQ

よくある質問

「光回線対応」と書いてあるのに引けない場合、工事費は誰が負担する?
ケースによりますが、募集図面(マイソク)に「光回線対応」と明記していた以上、表記と実態の整合の責任は第一義的に、その募集図面を作成・掲載した募集仲介会社(元付け業者)にあります。客付け仲介会社ではなく、募集図面を出した会社が表示内容に責任を負います。誤った設備表記で募集したことが原因であれば、まずその仲介会社の責任問題として整理されます。そのうえで、引き込みの可否・原因・代替手段(CATVや建物一括ネット)によって現実的な落とし所は変わるため、NOCOSはまず無料調査で原因を切り分け、責任の所在と費用・効果を並べて関係者が判断できる形に整理します。
回線の原因調査に数万円の見積もりが来た。妥当?
有料調査に即決する前に、回線各社の無料の現地調査で原因を切り分けるのが先です。本事例でも、約6万円の有料調査を払う前に無料調査で原因(共通配管の詰まり)を特定できました。
建物一括の無料インターネットは入れる価値がある?
戸あたり定額(目安 約1,400〜1,700円/月)で「無料ネット付き物件」として募集力が上がり、機器更新・クレーム対応・共用部ブースター保守まで含められるため、長期では個別対応より割安・低リスクになりやすい選択肢です。物件の入居者属性と相場で要判断。
Related

関連ページ

設備トラブルを、
バリューアップの起点に。

回線・設備のクレーム対応から、建物の設備グレードを上げる投資判断まで。状況をお伺いし、費用対効果を並べてご提案します。

無料相談を申し込む → 困りごと実務集の一覧へ